短歌誌「国民文学」今月号(1307号)
月刊の歌誌です。会員たちが詠んだ短歌の作品、批評、先人達の作品鑑賞、コラムなどを掲載しています。その他各地の歌会情報や全国大会のお『知らせなどの情報も。
活字になった自分の作品、仲間達の作品を鑑賞しながら上達のポイントを発見し歌を詠むことnの楽しさを学びます。
作品Ⅰ
作品Ⅱ
作品Ⅲ
作品Ⅳ
松村英一の歌(四三五) 片瀬千賀子
名古屋支部新年歌会報告 増田淑子
年刊歌集一首抄 二 古屋清・廣井公明・仁尾岳士・本田守・渡部敦則
令和七年空穂会案内
歌壇管見 野田恵美子
短歌とデザイン思考(十) 吉田直久
昭和覚え書き(40) 御供平佶
歌の師・歌の友 (66) 中野たみ子
ことばにまつわるあれやこれや(16) 齋藤隆彦
本と私(41) 白田妙一
私の一首 久保田壽子
「沈思翰藻通信」 №6 吉田三郎
卓上語 吉濱みち子・渡部徳子・渡部敦則
作品批評 白田妙一・秋山かね子・角田純子・増田淑子
田宮敏子・鈴木喬子・浅井さつき・勝見敏子
転載歌
第64回国民文学全国大会石川大会 案内
第42回 公木忌 案内
国民文学新人賞 作品募集
歌会報・歌会一覧・国民文学年間予定表
編集室だより・後記
表紙画 池田信一 カット 斉藤恵子・樋森直子
木場に來てまた雨となる木曽山の桧うかべし堀割のそば 『落葉の中を行く』
湖くれて黄の色しづむ光のなか魞(えり)にいざよふ波しろく見ゆ 『樹氷と氷壁』
在庵のしるしに吊す蓑と笠とほき日のまま落柿舎古りぬ
意味のなき一日(いちにち)暮れぬ何をして過ぎしや妻もかたへに居らぬ
『樹氷と氷壁以後』
旅終へて帰りし家に妻のこゑ聞かで坐りぬああ吾の部屋
一日一夜思ひつづけて暁の光は今しわれの枕べ壁
一日の寂しさ言ひて眼を閉ぢぬ聞く人はなしひとり眠らむ
(抄出 片瀬千香子)
御供 平佶
カテーテル三度挿し込まれ痛み痺れの区別まくなし
女医の声励ましくるる室内の冷気にゐたり三時間ほど
永井 正子
こんもりと雪に膨るる庭木々の冴え冴えとあり夜の静寂に
みるみるに雪重ねゆく木のあまた丸くふくらに遊びのごとく
吉田 直久
ガラス越しにゆつたり近づくアカエヒの口元ゆるむ我嗤ふがに
水槽の氷模したるブロックに横臥すアザラシ南極知らず
佐伯雅司
首巻きの隙より冷気入る朝鈴鹿の嶺に初雪の積む
毛糸帽に耳を隠せば荒るる音消えて無心に歩を進めたり
(抄出 吉田直久)