短歌誌「国民文学」今月号(1304号)
月刊の歌誌です。会員たちが詠んだ短歌の作品、批評、先人達の作品鑑賞、コラムなどを掲載しています。その他各地の歌会情報や全国大会のお『知らせなどの情報も。
活字になった自分の作品、仲間達の作品を鑑賞しながら上達のポイントを発見し歌を詠むことnの楽しさを学びます。
作品Ⅰ
作品Ⅱ
作品Ⅲ
作品Ⅳ
松村英一の歌(四三二) 今井千陵
作歌至言
同人昇格のお知らせ
新春随想 御供平佶・永井正子・吉田直久・佐伯雅司
令和七年空穂会案内
大林美好歌集『農の刻印Ⅱ』批評特集 齋藤隆彦・橋本千惠子
秀歌十五首抄 山岸金子・小林俊規・鯨井正義・長瀬智惠子
歌壇管見 野田恵美子
短歌とデザイン思考(七) 吉田直久
昭和覚え書き(37) 御供平佶
歌の師・歌の友 (64) 中野たみ子
ことばにまつわるあれやこれや(13) 齋藤隆彦
本と私(38) 白田妙一
私の一首 古屋 清
「沈思翰藻通信」 №3
卓上語 山本美里・秋山かね子・野田恵美子
作品批評 小林俊規・原田緑・佐藤美代子・下平小夜子
奥田富子・鯨井正義・片岡由里子・林田幸子
転載歌
令和七年版年刊歌集原稿募集
国民文学新人賞 作品募集
HP通信/選者からの百字の年賀状
歌会報・歌会一覧・国民文学年間予定表
賀詞交換
編集室だより・後記
表紙画 池田信一 カット 斉藤恵子
父としも呼ぶこと知らで死にゆける子よ紅の汝れが頬の色 『春かへる日に』
死にし子に頬すり寄せてものをいふ妻のかなしさ吾も泣くなり
かなしきとうれしきと世のことごともを知りてわれ老い妻も老いにけり 『石に咲く花』
もろともに老いて二人(ふたり)がする旅の夜をしづかに川の瀬の音 『白い花の咲く道』
ひとりしづか白糸の花立てて咲く四月を待たむ妻なしわれは 『樹氷と氷壁以後』
生きてゐる間かたへに妻がゐてやさしかりにき労りのこゑ
左様ならが言葉の最後耳に留めて心しづかに吾を見給へ
(抄出 今芽千陵)
御供 平佶
曇天の五時の暗さに高架線点れり冬至一か月
調ぶればどこにも不調カテーテル検査は矢張り命揺さぶる
永井 正子
「元旦の喪の日はきつと」言ひ残し友の子能登に帰ることなし
焼香の少女に混じりて式場に来てをらむスウェット彼の日のままに
ひたひたと潮(うしほ)の寄りて動く磯跨げば誰も万葉
吉田直久
還暦のわがうつし身に小春日の肩口に入りまた抜けてゆく
足もとを触る秋草の露の散り革靴に染む朝(あした)の光
佐伯雅司
花時は待たずと義母も言ひくれて古代蓮見に雨中を急ぐ
荒草をむしれば野菜を切る音に似ると思ひてひととき緩む
(抄出 吉田直久)